Requiem |
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| この声は 届かずに 遙か彼方 夢の跡形 最果ての この地で 一人 歌を 奏でる
彼らの凄絶な最期は、瞬く間に同盟全土の知る所となった。
わかっては、いた。 希望など、どこをどう探してみても見当たらない。 加えて、武勇の為ならば良くも悪くも死を恐れないあの男の性格。 ……導き出される結論は、余りに残酷で。
それでも…わずか1年ほど前。 最善を尽くそうと笑いあった友だったから。 あの頃は確か、歳は20だと言っていたか。
「…何年、生きても…堪えるね……」
もはや声を伝える事も、弔う事さえできない友に。 せめてその魂が向かう先に響くように、琴線を弾く。
響け 声は遙かに 届け 波は彼方に
歌声は蒼穹に 嘆きの声は海原に
― 消 え て ―
この声は 届かずに 遙か彼方 夢の跡形 最果てのこの地で 一人
歌を 奏でる――
迦陵頻伽(カラヴィンカ)の名に相応しく。 どうか、今は静かに安らかに…永の眠りに導いてくれ。
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7月27日(月)18:32 | トラックバック(0) | コメント(0) | 1話完結 | 管理
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