流離の標
 
PBW「無限のファンタジア」「蒼空のフロンティア」「エンドブレイカー!」のPC&背後ブログ
 



残響は夕風に消えて


この声は届かずに
遙か彼方 夢の跡形
最果てのこの地で独り
歌い続ける――


街と、その先の地平線まで一望できる小高い丘で一人、
夕日を受けながら夕風に調べを乗せる。

今でも時々、この歌を歌いたくなるんだ。
誰にも明かせずに独り、お前が歌い続けていたこの歌を。

物寂しい歌詞、物悲しい曲であるはずなのに
お前はいつも、この歌を明るい曲調に変えた曲に合わせて
誰もを虜にする笑顔で踊っていたね。何も言わずに。
その歌詞の存在を教えてくれて、
私の前でその声で歌ってくれた時の事を
まだ昨日の事のように覚えているよ。
・・・・嬉しかった、けど切なかった。

私はね、賑やかな場所は好きだよ。
街を歩くのも好きだし、酒場で皆と盛り上がるのも好きだ。

・・・・・でも、ふいに。

この歌が恋しくなる。
どうしようもなく愛しくなる。

お前の歌声を、また聞きたいと・・・・思ってしまうんだ。

叶わないのはわかっている。だからせめて。
お前の形を、この歌に探すんだ。
それくらいは、許してくれ。


――響け 声は遙かに
――届け 波は彼方に

  歌声は蒼穹に 
  嘆きの声は海原に・・・・

この声は 届かずに
遙か彼方 夢の跡形
最果てのこの地で独り
歌を 奏でる――――・・・・・




10月9日(火)21:20 | トラックバック(0) | コメント(0) | 1話完結 | 管理

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